真夜中のパレード



そう質問すると上条は楽しそうに笑う。


「いえ、私なんて適当ですよ」


仕事を離れた所で見る彼は、やっぱり面白いなと思った。


「ところで天音さんは、お休みの日は何をしているんですか?」


「私ですか? 
出不精なので、家でのんびりしていることが多いですね」


「あれ、意外ですね」

「そうですか?」


「天音さんは、色々出かけたりするのが似あう方だと思ったので」


二人の間に和やかな空気が流れる。


「私、家が一番好きなんですよー。
人と一緒なら、遊びに行くのも嫌いじゃないんですけどね」


「私もです。
特に働きだしてからは、休みの日に外に出るのが面倒で」


上条は透子に問いかけた。


「それなら、家で本を読んだり?」

「えぇ、あとは録画した映画を見たり」

「なるほど」


嬉しそうにうなずいて、なぜかにっこり笑った。


「天音さんのお休みっていつですか?」

「おやすみですか? 土日はたいてい休みですよ」


そこで意外そうに聞き返す。


「あれ、土日、どちらもですか?」

「はい」

「珍しいですね」

「どうしてですか?」

「いえ、飲食店に勤務なら、休日はお忙しいかと思って」


「あ」

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