リライト
家に帰ってからも、お腹いっぱい。
晩御飯は食べられそうにないから、早く寝ようとお風呂の準備をしていて気がついた。
シャンプーがない。
今日買わなければと思っていたのに、すっかり忘れてた。
仕方なく、近所のドラッグストアへ。
シャンプーの他にお菓子を買って店を出たら、見覚えのあるシルエット。ぴんと背筋を伸ばしてテンポよい歩調で店へと向かってくる。
私に気づいて笑顔を見せてくれたのは高崎さん。
「あれ? 多恵さん、買い物?」
「こんばんは、シャンプー切らしてしまって……、高崎さん今帰りですか?」
「うん、僕もシャンプー買いに来たんだ、奇遇だね」
と言って、高崎さんは目を細めた。
仕事帰りだというのに、疲れなど感じさせない爽やかな笑顔。
「そうだ、シフォンケーキが余ったんだけど、良かったらもらってくれない?」
「え? そんなの悪いですよ……」
「明日は休みだから、もらってくれると助かるんだ」
高崎さんの笑顔に、私は大きく頷いた。