俺様魔王の甘い口づけ



「はじめまして」

「こんにちは!お姉ちゃん、だあれ?」




真ん丸で純粋な瞳を輝かせながら私を見る。



「私は、芽衣子。少しの間、ここでお世話になるね」

「ここで?わあ!嬉しい!お姉ちゃんがほしかったの!」




ウィンリーは飛び跳ねながら喜ぶ。
私は、その愛らしい姿に胸を高鳴らせた。




「俺と妹の二人暮らしなんだ」

「そうなの」

「だから、気を使わず自由にしてくれたらいい」

「…ありがとう」




レオは着ていた装備を外しながらそう言った。
ウィンリーはずっと私の周りにまとわりついていた。
私の事をとても歓迎してくれている様子にうれしくなる。

あの城から、抜け出すことができた。
それは、私のとって幸運だったんだろうか。




ルイは、どう思ってるんだろう。
煩い私がいなくなってせいせいしてる?

それとも、非常食がいなくなって怒ってる?




寂しい…なんてことは絶対にないことだけはわかる。






< 100 / 425 >

この作品をシェア

pagetop