俺様魔王の甘い口づけ
「はじめまして」
「こんにちは!お姉ちゃん、だあれ?」
真ん丸で純粋な瞳を輝かせながら私を見る。
「私は、芽衣子。少しの間、ここでお世話になるね」
「ここで?わあ!嬉しい!お姉ちゃんがほしかったの!」
ウィンリーは飛び跳ねながら喜ぶ。
私は、その愛らしい姿に胸を高鳴らせた。
「俺と妹の二人暮らしなんだ」
「そうなの」
「だから、気を使わず自由にしてくれたらいい」
「…ありがとう」
レオは着ていた装備を外しながらそう言った。
ウィンリーはずっと私の周りにまとわりついていた。
私の事をとても歓迎してくれている様子にうれしくなる。
あの城から、抜け出すことができた。
それは、私のとって幸運だったんだろうか。
ルイは、どう思ってるんだろう。
煩い私がいなくなってせいせいしてる?
それとも、非常食がいなくなって怒ってる?
寂しい…なんてことは絶対にないことだけはわかる。