俺様魔王の甘い口づけ
リオンの血により、一命を取り留めた芽衣子。
いまだ意識を取り戻さず眠ったまま。
「おそらく、しばらく目を覚まさないと思いますよ」
「・・・そうか」
芽衣子の側から離れようとしないルイを見て、キイと顔を見合わせるハンス。
今までに見たことのないルイの姿だった。
「こりゃ、めーちゃん大変だ」
「はは、そうですね」
顔を見合わせ笑いあいながら、ハンスとキイは部屋を出て行く。
残されたルイは、ベッドの脇に置いた椅子に座り芽衣子を見つめる。
「なぜ・・・俺なんかを庇ったのだ・・・」
それが、一番の疑問だった。
芽衣子は自分をはじめは嫌っていたはずだ。
最近は、距離を縮めようとしてくれていることはわかっているが。
人間である芽衣子。
そんな芽衣子が、人間に憎まれ嫌われている自分の側にいるだけでも信じられない。
自分に自らの血までも差し出す芽衣子。
まさか、自分を庇って傷つくなんて・・・。