勝手に百人一首
夢で見たエレティナ、そして晩餐会で見たエレティナ。






「…………っ!!」






その姿を思い浮かべた瞬間、レイモンドは、発作的な息苦しさに襲われた。




あまりの苦痛に、涙が溢れだす。





衝動的に胸を掻きむしり、吐きそうなほどの苦しみを覚えた。






(―――苦しい、苦しい………!!)






涙を流して寝台の上を転げまわりながら、レイモンドは、自分で思っていた以上に、エレティナのことを深く愛しているのだと思い知る。




エレティナを永遠に失ってしまうと考えると、その日が数刻後に迫っていると思うと、このまま息絶えてしまうのではないかと思うほど、苦しかった。





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