勝手に古今和歌集
「………しょうがないなぁ」






彼はふぅ、とため息を洩らしてから、からりと笑った。






「よし、連れて行ってやる!」





「やったぁ!!」






わたしは飛び跳ねて喜びを表現しようとした。




でも、鱗も尾びれも失った脚では、もう、海の上で跳ねることはできなかった。





でも、いいの。




これからわたしは、この脚で、陸の上を走り回れるんだもの!






彼はわたしを舟の上に引き揚げ、櫓を漕ぎはじめた。




わたしはこれからの新しい生活に胸を膨らませていた。





楽しくて、嬉しくて、鼻歌を歌う。






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