睡恋─彩國演武─

「千霧様はここで待っていて下さい。──あの異形は浄化するほどのものじゃない」


呉羽はそう言い置くと、由良の方へと走った。


「藍様、すぐ戻りますから」


由良も藍を寝かせると、呉羽と合流するために走る。


「由良、手順はわかってますね?」


「はい!」


由良が霊気を纏うと、呉羽は一気に異形と間合いを詰め、攻撃を誘発した。


呉羽に向かって水の刃が集まると、由良が光泉から造り出した水の壁で防御する。


「いきますよ──呉羽様、お願いします!」


「ええ。金気よ集い刃を成せ──」


由良が水壁を破壊し、瞬時に刃に変えて異形の方へと向ける。



「結晶化せよ!」



二人の声が重なると、刃は水から氷へと変わり、そのまま異形を引き裂いた。


「すごい……」


息をするのも忘れてしまうほど、無駄な動きのない、息の合った美しい戦い。

異形は崩れ落ち、やがて形を失った。


由良は急いで藍に駆け寄り、胸に手を当てると、自らの気を分ける。

するとそれまで青ざめていた顔に赤みが戻りはじめ、やがて藍は目を覚ました。

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