俺様上司は、極上の男!?
恥ずかしい。
これ以上は恥の上塗りだ。

やっぱり帰らせてもらおう。

私はソファからヨロヨロと立ち上がる。


「……っ、申し訳ありませんでした」


引っかかりそうな声で頭を下げると、櫟課長が私の両腕をつかみ、ソファに引き戻す。
座り直させられ、向かい合うかたちになった。
嫌だ、こんな顔を見られたくない。

櫟課長の端正な顔から目をそむけ、私はうつむいた。


「ああ、もう!……太刀川はバカ過ぎる。」


苛々と、でも冷たくは響かない声音で課長が言う。


「おまえは俺を鬼畜か何かと思ってるのか」


「や……あのホントすみません……私、迷惑かけた上に……不快にさせてしまって」


私は涙が止まらない。課長に見下げられたことが、思いの外痛くて苦しい。

課長が腕を伸ばし、無理矢理私を抱き寄せた。


「価値が暴落っていうのは嘘だ。おまえがバカだから、意地悪を言いたくなっただけだ」


耳元で囁かれ、私はかぶりを振る。

慰められたら、余計情けない。
同情でもなんでも、今はやめてほしい。

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