俺様上司は、極上の男!?
「わかりました。こうします」


私は開けていない缶コーヒーを強く握り締めた。


「櫟課長の気持ちが動くような女に、私がなります」


「……どういう意味だ」


「あなたが恋せずにいられない女になります。誰とも幸せになれないって言うなら、私が幸せにします。そういう女になります」


私の宣言は漠然としていた。でも、強い決意だった。

今の私じゃ、この人の気持ちを変えられない。

それなら、私が変わるしかない。行動あるのみ。


「待っていてください。あなたの心を変えて見せます」


私は言い切って、課長に背を向けた。
彼を置き去りに力強く歩みを進める。

きっと、課長はまたしてもポカンとしているに違いない。
何言ってんだ、あいつ。くらいに思われてるかもしれない。

だけど、私はこの恋を諦めたくない。
絶対に。




< 232 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop