俺様上司は、極上の男!?
「大将、私って女子としては魅力ないですかね」


思わずお父さん的存在の大将に聞いてしまう。
大将は驚いた顔をしてから、白髪交じりの短髪を掻いた。


「太刀川さんは目鼻立ちも整って、美人でハキハキしてて、魅力的だとは思うけど……」


「けど!?」


「人の魅力ってそれだけかねぇ」


大将が首を傾げてみせる。
人の魅力……。

私が課長を振り向かせられるかのポイント。


「俺は、太刀川さんらしいってのが一番魅力的に見えると思うよ。馬鹿みたいにお酒が強いのも『らしい』し、いつも河野さんや鮫島さんとキャッキャしてるのも『らしく』て素敵だよ」


「『私らしい』ですか……」


「背伸びするなってことじゃないよ?でも、太刀川さんが今まで培ってきた『らしさ』を追求していけば、すなわち人間的な魅力に繋がるんじゃないかな」
< 234 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop