俺様上司は、極上の男!?
「見事に折れてるな。家、近所だっけ」


「30分くらいです」


そのうち10分は徒歩だ。



「スニーカーでも貸すか?俺のうち、駅の反対側」


櫟課長は無表情で言った。
呆れや、驚きがあるわけではない。
部下が困っているから、声をかけた。
その程度の必要最低限の感情しか見えなかった。

櫟課長の茶色がかった髪が街の灯りに透けて綺麗だ。
その光景はお酒のせいも相まって、この世のものではない清浄な世界に見えた。

言わば、天使降臨って感じ。

渡りに舟というほど丁度よくはない。

ただ、この人は上司であり、一応2ヶ月顔を付き合わせて仕事している人だ。
顔見知りに頼らせてもらうくらいいいかも。


「お借りしてもいいんでしょうか?」


「いいよ。5分以内で着くから、ついてこい」


私はひょこひょこ歩きながら、櫟課長の後を追った。
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