俺様上司は、極上の男!?
恵比寿駅西口を会社とは逆方向に徒歩3分。そんな好立地に、櫟課長の家はあった。
単身者用の高級賃貸だ。
会社から補助がどれだけ出てるか知らないけれど、役付きになると違うなと思う。

この人、31歳で課長だし、なんか裏があるのかな。
案外、社長の親族だったりして。
コネ入社だから、地味男に徹してんのかな。

そんなことを考えながら、三階の角部屋である櫟課長の部屋へ。


奥からスニーカーを出してくると言うので、中に入って待たせてもらうことにした。
勧められたからリビングに入っただけ。ソファに座るのはおこがましいので、床の絨毯の上に座って待つ。

櫟課長の部屋は本人そのものだった。
無味乾燥。
日々使ういくつかの日用品がキッチンカウンターに出ているだけだ。

リビングの隅には、引っ越し会社の段ボールが二つ積まれてある。
そこから必要なものを逐一出して使っているようだった。

やがて、奥の一室から櫟課長が現れた。


「あんまり使ってないヤツだ。サイズは26.5だから、この厚手の靴下をはいていけ。紐をきつく締めればいいだろ」


「ありがとうございます。お借りします」


私はスニーカーと新品とおぼしきスポーツソックスを受けとる。
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