俺様上司は、極上の男!?
私が驚いた顔で何も言えずにいると、櫟課長がこちらを見る。
眼鏡をはずした彼は目力百倍増しだ。


「『ストーカーされてるかも』とか、自意識過剰なこと考えただろ」


「……考えてません」


「悪いが、偶然だ。俺もよく、ここで夕飯にする」


私はタンステーキにナイフやフォークを入れることもできず、気まずさに固まっていた。


「フルボトル、それで何本め?」


私の酒量はバレている。しかし、その聞き方ってのはどうなのよ。


「まだ一本目です!」


「ふーん。じゃあ、俺も別なの頼むから、一緒に飲んでくれるか?ワインはあまり好きじゃないんだ」


ワインが好きじゃないのに、なんで頼むんだろ。
ちんぷんかんぷんのまま、頷く私。
櫟課長の注文したサラミとチーズと一緒にやってきたのは、一本3万円くらいするワインだ。


「いつも、このクラスのワインを飲まれてるんですか?」


感嘆というか、困惑。やはりこの人お坊ちゃんなのでは、という疑いの目で見つめてしまう。
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