俺様上司は、極上の男!?
課長の唇が、私の耳朶に触れる。
全身に電気が走った。
あの晩のすべてが、瞬時に私の身体に甦る。

全然そんな気はないのに、あまりに馴染みすぎたお互いの身体が、引き合う磁力を生んでいる。

まずい。このままじゃ、変なことになっちゃう。

私は何とか片手を彼の拘束から抜け出させ、そうっとテーブルへ伸ばす。
指先をじりじりと滑らせ、あと少し!


ぴんぽーん。


私が押したのは、店員さんを呼ぶボタンだ。
フロアから「ただいまおうかがいしまーす」の声。

へへん、してやったり。
私はにやりと微笑む。

店員さんの登場間近で、櫟課長は渋々私の上から退いた。


「残念」


その声は、ちっとも残念そうに響かず、むしろ楽しそうだったりする。

……なんて男だ。
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