男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「ならば、手錠でもかけ縛り付けておくか?そうすれば、逃げ出すこともできん」
「そういうことを言っているわけではありません!ご自分の立場をお考え下さいと申しているんです!」
「俺は、別に守ってなどいらん。何度もそう言っているだろう」
結局、そんな言い合いになるレオさまとグレン。
レオさまの心はそう簡単には変わらないんだってわかった。
それは、当然なのかもしれない。
「我々は、レオさまを!」
「くどい。誰に向かって説教を垂れているんだ」
「レオさま・・・!」
我々は、レオさまを・・・
お守りしたいんです。
きっとそう続くであろう言葉。
レオは聞こうともしなかった。
レオさまは、あまり自分に説教をしてくる人はいないといった。
だから、今グレンがこうして声を荒げているのだって、きっと珍しいことなんだ。
私の言葉をちゃんと聞いていてくれたレンさまだから。
きっと、今のグレンの言葉だって届いているはずなのに。
素直になれない心が邪魔をするんだ。
「・・・ユキ」
「あ・・・、あの」
グレンはレオさまから視線を私に移す。
居心地が悪くて目を泳がせた。