男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「俺たちは、魔物を消し去るためにここに来た。お前がその方法を知っているという事か?」
≪知っている≫
じゃあ、私たち間違ってなかったんだ。
これで、魔物の脅威に怯えることもなくなるんだね。
≪・・・魔物は、この精霊の木から作られている・・・≫
「え・・・」
≪僕たち精霊は・・・この世界をずっと見てきた・・・。その中で、人間の悪しき心や絶望、憎しみ・・・いろいろなものを見て、それを木が根から水を吸い上げるように憎しみや苦しみ絶望までも吸い上げてしまった・・・≫
私たちは、ただ精霊の声を聞く。
≪その憎しみは長い年月を積み重ね膨れ上がり・・・精霊の木を悪しきものへと代えてしまった・・・悪しき気は、その中に入りきらず、魔物として世に放たれた・・・≫
「そ、そんな・・・」
「もとはといえば、人間の悪しき心が生み出したという事か?」
争い、小さないざこざ。
そこから生まれる憎しみや悲しみ、絶望。
小さいものでも、長い年月を経てたまったものは大きな塊となる。
そうして、精霊の木を蝕んでいったんだ。