夢幻泡影
土方が山崎に調べさせているのは、瑛の身元

あの屋敷にいた理由

瑛のことを吉田がわざわざ報告しに行った

瑛が今後も囚われる可能性を考えて

外出は、必ず幹部が一緒に行く

吉田のように間者がいるかもしれない

なるべく瑛を一人にしないようにしていた





目が覚めた瑛はお千の言葉を思い出し


『信じないと…』


布団からでた

土方の部屋であることに驚き、布団を畳む


「瑛…起きて大丈夫か?」

頷く

「瑛…朝餉作りは平隊士が交代でするようになった。お前には、俺の身の回りの世話、小姓をやって貰いたい。夕餉は今まで通りだな。いいか?」


頷く


「じゃあ。荷物俺の部屋に移せ。」


頷く


土方の部屋を出て、ふと思う


『監視…かな。』


ぶんぶんと首を振り


『いやいや。女中が一部屋使っていることがおかしい!静かな土方さんの部屋に行ける!一人じゃないし、淋しくなくて良いはず!!』


廊下を歩き出し 立ち止まる


『さみしい…?疑われているから…?
あたし…さみしい…?』


頭を振る


『信じよう!!ううん!!信じて貰おう!捨てられないように、強くならなきゃ!!』
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