バレンタインは俺の生き甲斐やっ!







「あっ、ミサキちゃん!」





バイト先の本屋に行くと、待ち兼ねていたように店長が近づいてきた。





なんですか、と応えると、店長が情けない顔で、「助けて〜」と泣きついてくる。





話を聞くと、どうやら、来週の土曜日のシフトに空きが出てしまったらしい。




ラストまでのシフトに入っていたバイトが、急用で来れなくなったというのだ。






「ほんっまに申し訳ないねんけど、ミサキちゃん、入られへんかなぁ?」






壁にかけてあるカレンダーを見て、その日がバレンタインデーだということに気がつく。





でも。






「あー、ええですよ、入りますよ」






あたしは迷わず答えた。




店長がぱあっと顔を輝かせて、「おおきに!」とあたしに向かって手を合わせ、店に戻っていった。





………まぁ、ええやろ。




たっちゃんがぎょうさんチョコもろて浮かれとる姿なんて見たないし。




あたしは一日バイトして稼ぐわ。





< 23 / 38 >

この作品をシェア

pagetop