ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
王城には悪い人が侵入できないように大きな結界が展開されている。

それはいくつもの魔法陣といくつもの呪文で構築された国内有数の強力な結界だ。

王城だけでなく、王城の周囲にもその結界は張り巡らされており、攻撃魔法はもちろんのこと箒で空を飛ぶことだって妨害され、勝手に触れようものなら魔法が無効化され魔力が無力化される。

そしてその結界に触れた者の動きは鈍り、最終的には近衛兵団に捕らえられて尋問されるそうだ。


その話を聞いたのは翔太からだった。

『どうせお前、絶対知らないだろう』と切り出したから余計なお世話だと思ったけれど、でも本当にあたしの知らないことだった。

そして近衛兵による尋問もしつこく、「依頼で来た」と言ってもなかなか信用はされないだろうとも言っていた。

そこであたしは王城から少し離れた場所に降り立って、そこから歩いて王城に向かうことにした。

王城に続いている大きな通りにはたくさんの人通りがあった。

食べ物屋さんや雑貨屋さんなどたくさんの種類のお店が出ていて賑わっている。

お店だけでなく出店も並んでいて、近くにはマルシェ(市場)もあるらしかった。

「さあさあ、できたてのガレットはいかがー!朝食にもおやつにもぴったりさ!」

元気のいいそんなかけ声に思わず惹かれてしまう。

ガレットは薄く焼いた小麦の生地に、甘辛い味付けのお肉や新鮮な野菜をくるりと包んで食べる手軽な料理。

もちろんお肉の代わりに果物をいれたっていい。おかずでも甘いものでも、なんだってガレットには合うのだそうだ。

それをマルシェで買って食べながら街を散策するのがとっても楽しいのだと、いつだったか美玲は言っていた。

あたしはまだ食べたことはないのだけど、仕事が終わってから翔太と一緒に食べたいな。それで町を歩けたらどんなに楽しいだろう。

想像してると後ろから頭をぽかりと殴られた。


「お前は依頼の前にどうしてそんなだらしない顔ができるんだよ…」


呆れたようなその声は、今ちょうど想像していた人物だった。
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