ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
本当の自分の居場所を見つけたような、そんな気がした。

暗闇から光の世界に手を引いて導いてくれた、そんな気がした。

その喜びは、嬉しさは、どんな言葉でも言い尽くせない。


だから今度はあたしが、その手を引いてあげたい。差し伸べてあげたい。


「では、本当に友達になりましょう?」


あたしは笑って見せた。


きっと本当なら言ってはいけない言葉なのだろうと思った。

おそらくは言っただけで失礼に当たると処罰の対象にもなってしまうだろう。

それでも晴人さんは何も言わなかった。翔太も警告しなかった。

もし言われたとしても、それでもあたしはやめなかっただろう。


だって今あたしが言わなかったら、姫はずっと孤独を生きていくことになるかもしれない。


「__きっと今日の日を、今この瞬間を、生涯忘れることはありませんわ」


姫は一度俯くと、顔をあげてそう言った。

その顔は美しいことに変わりはないけれど、それまでとは全く違う美しさだった。

どこまでも晴れやかで、何か吹っ切れたような、そんな明るさがあった。


「本当にありがとう」


それからあたし達は握手をした。

その瞬間拍手の音が鳴って2人そろってそちらを向くと、翔太も安心したように微笑み、晴人さんは自分のことのように嬉しそうに目を細めて拍手をしていた。


「よかったですね、姫」

「ええ、晴人。わたくし、今までのどのときよりきっといちばん幸せよ」

滲む涙をぬぐって晴人さんに微笑みかける姫を嬉しく見ていると、隣から「お前も良かったな」と翔太が言った。


「処罰を免れて」

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