君と僕等を、繋ぐ線。










スポーツ部に配属になった当初、里中さんには『何でワタシがスポーツなんだ!! ワタシは桜沢悠斗の取材をする為に入社したのに!!』と、学生気分の抜け切れないシゴトを舐めきった文句を、3ヶ月くらいしつこく愚痴り散らしていた。







聞かれてもいないのに、いかに桜沢悠斗が天才かを熱弁したり。








桜沢悠斗が歌わなくなった昨今、桜沢悠斗の『サ』の字も発していなかったのに、里中さんは覚えていてくれたんだ。








「・・・・・・・・・・・・・・里中さん。 何男前な事してくれてるんですか。 結婚して下さいよ」








里中さんの腕に絡みつきながら求婚すると








「気安く触るなよ。 知っての通り、オレは新婚ラブラブだ。 更に日本が一夫多妻制の国になったとしても、オマエなんかお断りじゃ」








先月式を挙げたばかりの里中さんが、絡まるワタシを引き剥がしながら、左手薬指に輝く指輪をワタシの目の前に翳した。








どうでもイイけど、冗談に対する返しが酷すぎる。








なんで好きでもない男(人としては大好きだけれど)に、こんなにバッサリ振られなければいけないんだ。
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