山桜
近藤は深いため息をついた

他流試合を禁じていると言った手前もある
山南が何故、今日知ったばかりの男をここまで推すのか…近藤は理解できなかった

近藤は手を擦り合わせるように何度か摩擦をし、ゆっくり立ち上がった

『我等は武士…剣で語り合うというのもいいですね…』

そう言って近藤は襖へ向かった
山南は顔を上げる

『ありがとうございます、近藤先生…』

山南はそう言って再度頭を下げた

近藤は他流試合ではなく、あくまで[話し合い]という名目で手合わせに応じてくれるというのだ

粋な心遣いだ
礼として、本気で立ち向かわなければならない

近藤が部屋を出ると同時に、山南も立ち上がり、深呼吸をして高ぶりを抑える
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