山桜
山南、近藤、土方は別室に移り、酒を酌み交わししばし雑談に興じる

山南と近藤は向かい合わせに座り、土方は山南の左手、二人の間に席を設けていた

源三郎は近藤の傍らに、沖田は山南の傍らに着座している

『近藤さん、お見事でした…完敗です』

山南は微笑し会釈をした

『滅相もない…山南さんは私を試すため、大きく隙を作られた
私はその好意に甘えただけのこと
山南さんは本気ではなかった』

近藤は静かに語った

『山南さんは隙がなかった
どう攻めるか私は決めかねていたとこ ろ、山南さんは隙を作られた…
そのまま打ち合っていたらどうなったことか…』

山南は近藤の真意が解らなかった
普通であればそんなことを解っていても、門下生の前では恥ずかしくて言えない

次期四代目を継ぐ男なのだ
自分の弱さなど見せては門下生に示しがつかない

この男は正直すぎる
< 17 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop