艶麗な夜華
そして、ポケットから出したタバコに火をつけると、


静かに話し始める。




「まさか夕方会った女にもう一度会うとはな。フッ」



「気がついてたんだ……」




鼻で笑う彼はやっぱり怖いくらいに美しく、


タバコを吸うしぐさは魅力的で、


そこに立っているだけなのにその存在感に圧倒される。





あまりの緊張に、


泣く事も忘れていたあたし。




彼は、少し顔をそむけ煙を吐き出すとあたしを見下ろす。



「随分と貧相な身なりだな」



その言葉に、


愛華のお店にコートを忘れてきた事を思い出した。


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