艶麗な夜華
上目でにらみ付けるあたしに、


彼の目つきが厳しくなる。



「弱っている時こそ簡単に自分の弱さを人にさらけ出すな」


弱みに付け込まれてボロボロになるのが落ちだ」




人通りの多い道に向かって歩きだす彼。



「ど、何処にいくのよ?」



「そこで待ってろ。


お前のコート取ってきてやるよ。


気まずくて自分じゃあ取りに行けないだろ?」



「んっ…」



彼は鼻で笑うと、


あたしに背中を向けた。




なによ……優しいじゃん。




そして待つ事5分。



彼がコートを持って戻って来た。




「ありがとう……


あのさ……愛華になんて言ったの?」



「此処にきた女が忘れていったコートをよこせって言っただけだ」



「そんな言い方したの?」



「アイツには、そんな言い方で十分だ。


さっさとこれを着て帰れ!


ハハッ、夜道を1人で歩いても、


その顔じゃ誰にもナンパはされないから大丈夫だろ」

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