喫茶の謎解き意地悪紳士2


良いこと?

「何ですか?バカとかそういうのはやめてくださいね」

「お、自覚してるだけえらいな」

「褒めるのか、けなすのか。どっちなんですか!もう!」

詩音が頬をふくらますと、叶亜がクスッと笑った。

その顔が子供みたいで、すこし可愛く思えてしまう。

だけどその次の彼の言葉は、詩音の心に深く刻まれるくらいに悲しかった。

「僕がなんでこんな哀しい言葉しか言えないのか。それは……




























――……僕自身が夢に捨てられたからだよ。淡い期待なんて抱いてたら、いつかバカをみる」



< 58 / 203 >

この作品をシェア

pagetop