オオカミと少女
それは、ナターシャの本心だった。
ナターシャは4年前のことをはっきりと覚えていた。
サイオは胸を押さえて横たわっていた。
裂けたのはカーディガンだけで、血なんか1滴も流れていなかった。
「あのときのオオカミがオオカミ人間だって気付いたのは、街に出て学校に行ってからよ。
それからね、オオカミ人間にあったらこう言おうって決めてたの。」
(自分を、責めないで。)
その言葉は、静かにイーサンの胸に響いた。
「自分を、責めるな…」
繰り返して呟いたイーサンに、ナターシャは笑顔で頷いてみせた。
抱き合っているため顔は見えないが、イーサンには伝わったはずだ。
「ありがとう…。」
イーサンはギュッと力を込めてからナターシャを離した。
「ナターシャ。…愛してる。
好きなんかじゃない。愛してるんだ。」
ナターシャはそれを聞いて顔を赤らめた。
「私も…!」
愛してる。
そう最後まで言い切れなかったナターシャに、イーサンは少し笑ってキスを落とした。
「ん…!」
それは長く、深いキス