絆の軌跡



びくびくしながら教壇に向かう。


左手には沢山の人がいて、右手にはずらりと先生達が並んで座っている。



パチパチと手を叩く音を聴きながら、校長先生の隣に行く。



「こちらが新入生のシーファ・レイヴェンじゃ。みんな仲良くな」



校長先生が話し始めると、大広間がシンと静まり返る。

いろんな眼がこちらを見ていた。



「では、早速じゃが寮を発表しよう。

厳正なる占いの結果、彼女の寮は…


スピカじゃ!」



スピカ、と言った瞬間、右端の長テーブルから歓声と拍手が上がる。



あそこがスピカ寮のテーブルなのだろう。


取り敢えず拒否されなかったようなので安心した。



「スピカ寮の担当はヘカテール先生じゃ。

ヘカテール先生、寮生証を…」



教員席から立ち上がってヘカテール先生が何かを持って来た。



「これを校内では必ず着用してくださいね」



渡されたのは金のラインが入った蒼いリストバンドだった。


腕に着けるとふわふわと心地が良い。



「では、時間もないから朝食にしよう。

スピカ寮の監督生、シーファ君を席へ」


「はいっ!」



ハキハキとした返事が聞こえる。


教壇でどんな人物かは分からないが。



コツコツと靴の音が近付く。



ひょこっと顔を見せたのは、高身長で整った男前な顔。

白い歯を見せて爽やかな笑みを浮かべている。



「初めまして。スピカ寮監督生の6年、エドワードだよ。よろしくね」



差し出された手を握り、握手を交わす。



「よろしくお願いします」


「スピカ寮のテーブルはこっちだよ」



手を繋いだまま右端のテーブルに案内される。


教員席をチラッと見ると、クロエ先生の隣にアーサー先生。


僅かに眉を寄せているが、笑顔で拳を小さく突き出していた。

私もそれを真似する。



「席は基本自由だからね。今日は僕の隣にどうぞ」


「ありがとうございます」



長椅子に腰掛け、知らない人と監督生に挟まれる。



「それでは、朝食にしよう」



校長先生がパチンと指を鳴らす。



「わぁ…」



途端に沢山の料理が現れた。

長テーブルに隙間が無くなるくらいの品数だ。



「声を合わせて…いただきます!」


「「いただきます!」」



みんなでいただきますを合唱すると、一気に大広間が騒がしくなった。


一斉に料理に手を伸ばす。


目の前の皿に食べたいものを自分で取る仕組みらしい。
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