ひねくれ作家様の偏愛
私が彼の作品をボツにしてきたのは、『ともし火』に合わないという理由がほとんど。
硬派な文芸小説を好む『ともし火』での出版を目指すなら、それに相応しい小説にしようと打ち合わせを求めてきた。
たまにあげてくる作品はすべて尖ったものばかりだったから。
しかし、最近彼が次々に仕上げる小説はどうだろう。
ペースと反比例して、以前の水準より格段に劣っている。
この1年半、ろくに作品を書いてこなかった海東くんが、精力的に書いてくれるのはいいことだ。
だけど、少し焦り過ぎてない?
次の出版会議に間に合わせたい。それはわかる。
私の手は借りたくない。寂しいけれど、それも理解してるつもり。
だけど、こんなに焦燥感を持って書き続けたところで、良いものなんか生まれない。
「なに、やってるんだよ、海東くん……」
思わず呟いた言葉。
すると、背後から聞き知った声が降ってくる。
「その海東センセなら、受付んトコ来てたぞ」
硬派な文芸小説を好む『ともし火』での出版を目指すなら、それに相応しい小説にしようと打ち合わせを求めてきた。
たまにあげてくる作品はすべて尖ったものばかりだったから。
しかし、最近彼が次々に仕上げる小説はどうだろう。
ペースと反比例して、以前の水準より格段に劣っている。
この1年半、ろくに作品を書いてこなかった海東くんが、精力的に書いてくれるのはいいことだ。
だけど、少し焦り過ぎてない?
次の出版会議に間に合わせたい。それはわかる。
私の手は借りたくない。寂しいけれど、それも理解してるつもり。
だけど、こんなに焦燥感を持って書き続けたところで、良いものなんか生まれない。
「なに、やってるんだよ、海東くん……」
思わず呟いた言葉。
すると、背後から聞き知った声が降ってくる。
「その海東センセなら、受付んトコ来てたぞ」