ひねくれ作家様の偏愛
「主題も軸もない小説を海東智の作品だと提出したくない。きみがどうしてもと言うなら、会議に回してもいい。物笑いのタネになるだろうけど」
私の言葉が終わるや否や、海東くんが立ち上がった。
顔も見ず、口もきかず、背を向けロビーを横切って去っていく。
「待って、海東くん!傘ないんでしょ?今、オフィスにあるのを持ってくるから」
オフィスには誰のものかわからない置き傘が山のようにある。
ほとんどが透明のビニール傘なので、誰もが傘のない時は適当に使う。
海東くんは私の言うことに耳を貸さない。
エレベーターホールにつかつかと歩いていってしまう。
「待っててね!」
私は背中に声をかけると、自分のフロアへ走った。
ビニール傘を一本手にし、3階の受付フロアへ戻るけれど、彼はいない。
あの意地っ張り。
ひねくれバカヤロー。
きっと、雨に濡れてでも帰るつもりだ。
放っておこうかとも思った。
でも、作家の体調管理も無視できない。
ああ、本当に面倒くさい!
私は海東くん用の傘を開き、土砂降りの中へ飛び出した。
私の言葉が終わるや否や、海東くんが立ち上がった。
顔も見ず、口もきかず、背を向けロビーを横切って去っていく。
「待って、海東くん!傘ないんでしょ?今、オフィスにあるのを持ってくるから」
オフィスには誰のものかわからない置き傘が山のようにある。
ほとんどが透明のビニール傘なので、誰もが傘のない時は適当に使う。
海東くんは私の言うことに耳を貸さない。
エレベーターホールにつかつかと歩いていってしまう。
「待っててね!」
私は背中に声をかけると、自分のフロアへ走った。
ビニール傘を一本手にし、3階の受付フロアへ戻るけれど、彼はいない。
あの意地っ張り。
ひねくれバカヤロー。
きっと、雨に濡れてでも帰るつもりだ。
放っておこうかとも思った。
でも、作家の体調管理も無視できない。
ああ、本当に面倒くさい!
私は海東くん用の傘を開き、土砂降りの中へ飛び出した。