ひねくれ作家様の偏愛
「大変だなぁ、海東大先生のお守りは」


飯田が茶化し半分、同情半分の顔をする。
私が海東くん面倒係であることは、社内の関係者には周知の事実だ。


「それ、やめて」


もちろん、私はそのポジションを欠片も望んでいない。


「あの子もパッとしたの最初だけだもんな。十代でもてはやされちゃうとああなのかね。才能の枯渇っていうの?今や、うち以外の大手はどこもあの子のシナリオなんか使わねーだろ」


「……」


「なのに何様かって態度だよなぁ。我が儘放題で、ちまい仕事にも大御所気取り。桜庭がメディアミックスで拾ってやんなきゃ、今頃この業界にいないんだから、もうちょっと殊勝な態度とってもいいんじゃない」


私は黙って聞いていた。

認めたくはないけれど、飯田の言っていることは大部分間違っていない。
ただ、聞くに堪えなかったので、さっさと話を打ち切ることにした。


「とりあえず渡したから。後は任せたよ」
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