ひねくれ作家様の偏愛
飯田がにっと笑う。


「おー楽勝、楽勝。こんなんはだいたいベタに作っときゃハズれないんだよ。このイベントだって数合わせみたいなもんだし」


そんな数合わせが海東くんの今のメインの仕事なのかと思うと、気分が暗くなり、疲労感がどすんと増した。
飯田が私の気持ちとは正反対の明るい声で言う。


「あ、今度の同期会、来週の金曜だけど、幹司はおまえと寺本な。よろしく」


「え!聞いてない」


「今、言ったもん。あ、魔女っ子の感想は一週間で原稿用紙50枚程度にまとめて提出で」


「誰が提出するか。趣味という名の暴力だぞ。っつか、同期会と来月発売の入稿がばちかぶってる件について……」


「アハ、ファイト!じゃなー」


飯田は舌を出し、スイーツ女子的笑いを見せ、去って行った。
幹司って……、来週の話を今する?
絶対あいつ、私に言い忘れてたな。
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