ひねくれ作家様の偏愛
「馬鹿じゃねぇの。ヘラヘラ媚びやがって、俺のご機嫌とりに必死になりやがって。うんざりなんだよ、あんたには!もうほっといてくれよ!あんたの期待するもんなんか、俺の中には欠片も残ってないんだよ!俺はもう書けない!」


それは迸るような叫び。
海東くんの本音だ。
ずっと、彼の内に巣食っていたどうしようもなく不安な気持ち。

そんな風に思っていたんだね。

海東智の暗い憤りを感じた。
自分の才能を信じきれなくなった天才。
痛々しい。
かつての栄華を失い、今の彼には自分を否定する材料しか残っていない。

私は暫時立ち尽くした。

私の態度も一因だ。

私の曖昧な壁と、曖昧な思いやりが、彼の未来への希望を踏みにじっていた。
あの夜を、彼が引け目に思ってしまうほどに。



「違うよ」


発作的に言っていた。
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