ひねくれ作家様の偏愛
「ずっと、海東智の生み出す作品を愛してきた。そのためなら何でもできた。きみにこき使われようが、嘲笑われようが、作品の材料にされようが、それは私が選んだこと。後悔してないかって言ったら嘘になるよ。女として、つらかったのは本当。でも、きみのファンとしては、担当編集としては後悔してない!」
言い切る私は、紛れも無く本心をぶつけていた。面と向かって言うには重すぎる、彼への深い想い。
海東くんが何かを耐えるように顔をしかめる。
「適当なこと……言うな。俺のことなんか理解できないクセに」
「わかるよ。きみは必ず大作家になる。またゲームシナリオだって書く。『アフター・ダーク』をはるかに超える傑作を書く。私はそれを見たい。きみの隣で」
海東くんが瞳を揺らした。狼狽しているのがわかる。
「うるさい。こんな言い合い無駄だ。俺の前から消えてくれ。俺はもうあんたを喜ばせてはやれない……」
「きみがそう言うなら従う。だけど、逃げ出させないからね。どんな手を使ってでも、きみが書くように仕向ける。
海東くんは書くしかないんだよ。私や、きみの作品に心を動かされた人たちのために。死に物狂いで書き続けなきゃならない。誰が何と言おうと、それが海東智の責任だ」
言い切る私は、紛れも無く本心をぶつけていた。面と向かって言うには重すぎる、彼への深い想い。
海東くんが何かを耐えるように顔をしかめる。
「適当なこと……言うな。俺のことなんか理解できないクセに」
「わかるよ。きみは必ず大作家になる。またゲームシナリオだって書く。『アフター・ダーク』をはるかに超える傑作を書く。私はそれを見たい。きみの隣で」
海東くんが瞳を揺らした。狼狽しているのがわかる。
「うるさい。こんな言い合い無駄だ。俺の前から消えてくれ。俺はもうあんたを喜ばせてはやれない……」
「きみがそう言うなら従う。だけど、逃げ出させないからね。どんな手を使ってでも、きみが書くように仕向ける。
海東くんは書くしかないんだよ。私や、きみの作品に心を動かされた人たちのために。死に物狂いで書き続けなきゃならない。誰が何と言おうと、それが海東智の責任だ」