ひねくれ作家様の偏愛
私は紙袋をデスクに放る。私と飯田の話が終わったと見るや、部下の佐々木くんがやってくる。
原稿のチェックだ。
私は佐々木くんとあがってきた原稿について話しながら、頭は海東くんのことを考えていた。
自分の書いたシナリオが改ざんされたと知ったら、プライドの高い彼でなくても怒る。
その怒りをぶつけられるのは、たぶん私。
あー、面倒事になりませんように!
今は、祈るしかできない。
海東智は“かつて”の有名シナリオライターだ。
4年前、我が社発売で大ヒットを飛ばしたゲームソフト『アフター・ダーク』3作のシナリオを手がけたのが当時10代だった彼。
押しも押されぬ売れっ子シナリオライターだった。
そして、現在の海東智は、我が社と専属契約を結んだ“シナリオライター兼作家”だ。
アプリゲーム用の名前も出ないような単発イベントシナリオを手がけ、ライトノベルではなく、文芸誌『ともし火』での文学小説の発表を目指している。
シナリオライターとしては落ち目、作家としては一作も発表できていない。
そんな彼を4年にわたって担当しているのが私だったりする。
原稿のチェックだ。
私は佐々木くんとあがってきた原稿について話しながら、頭は海東くんのことを考えていた。
自分の書いたシナリオが改ざんされたと知ったら、プライドの高い彼でなくても怒る。
その怒りをぶつけられるのは、たぶん私。
あー、面倒事になりませんように!
今は、祈るしかできない。
海東智は“かつて”の有名シナリオライターだ。
4年前、我が社発売で大ヒットを飛ばしたゲームソフト『アフター・ダーク』3作のシナリオを手がけたのが当時10代だった彼。
押しも押されぬ売れっ子シナリオライターだった。
そして、現在の海東智は、我が社と専属契約を結んだ“シナリオライター兼作家”だ。
アプリゲーム用の名前も出ないような単発イベントシナリオを手がけ、ライトノベルではなく、文芸誌『ともし火』での文学小説の発表を目指している。
シナリオライターとしては落ち目、作家としては一作も発表できていない。
そんな彼を4年にわたって担当しているのが私だったりする。