ひねくれ作家様の偏愛



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結局、千弥さんの有休デーは何事もなく過ぎてしまった。
千弥さんが起きたのは夕方で、平謝りする彼女をなだめて外で夕食にした。

千弥さんは自宅へ帰り、俺も自室で仕事の続きをする。


そして、今日金曜日、俺はキッチンで千弥さんの忘れ物に気付いた。


来た時に置いたのだろう。キッチンカウンターの隅に置かれた書類。
中身はどう見てもラノベ作家の原稿に赤で直しを入れたものだ。

もしかすると、昨日この家でやっていこうと思った仕事なのかもしれない。

俺はどうしようか迷ってから、着替えのため寝室に向かった。

ジムは午後にして、午前中うちに届けよう。

きっと必要なものだろう。
仕事のことでは抜け目ない千弥さんが忘れ物だなんて、やはりよっぽど疲れていたんだな。
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