ひねくれ作家様の偏愛
俺はたった今目にした光景に背を向ける。
編集部のフロアを出ると、受付に取って返し、受付の女の子に千弥さんの書類を託すと帰路についた。

さっきまでの熱い気持ちがしぼんでしまった。
たった、あんなことで。

千弥さんは俺のもの。

そんなことはわかってる。彼女を信じている。
なのに、ほんの少し他の男と親しげにしているだけで、心の中が嵐になってしまった。

こんなガキくさい嫉妬。
駄目だと思いながら、心がどす黒く染まる。


誰にも笑いかけないでほしい。
誰にも気を許さないでほしい。

本当は俺しかいない場所に閉じ込めておきたい。

それが叶うなら、何もいらないくらい。






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