ひねくれ作家様の偏愛
彼女は何にも悪くない。
なのに、つい思ってしまう。

俺のものなのに、どうして他の男と親しげにするんだよ。
飯田が自分のこと好きだって知ってんだろ?
隙見せるなよ。

駄目だ。本当に八つ当たりが口からこぼれそうになる。


「すいませんが、俺ちょっとそこのコンビニまで行ってきます」


頭を冷やそうと千弥さんを振り切るようにリビングのドアを開けた。
玄関に向かおうとする俺を千弥さんが呼び止めた。


「智くんが嫌なら、私が帰るよ」


振り向いたけど、リビングの灯りが逆行になって千弥さんの顔はよく見えない。

いや、よく見ると千弥さんの瞳が涙で潤んでいた。


「私のこと、やっぱり飽きた?」


「は?どうしてそうなるんです」


いきなりの質問に俺はあわてた。

どこをどうとればそんな話になるんだ。

千弥さんは鼻をぐすっとすする。
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