ひねくれ作家様の偏愛
「私、一応、きみの担当だし。担当と相談しながら作品を作っていくことって普通じゃないかな。構成の段階から、私にも関わらせてくれれば、こういった無駄は省けると思わない?」


「あんたの意見なんて求めてません」


ばっさり海東くんが切り捨てる。


「あんたは俺が書くものを黙って通す。それが仕事でいいんです」


口を出させないのは彼の流儀だけど。
それに振り回されているこっちとしては、もう付き合いきれないというのも本音。


「そう、じゃあ来月末に例の連載と出版の会議があるから。それまでに新しい原稿をまとめてよ」


「言われなくてもそうしますよ。あんたは今までどおり、週1くらいで様子を見にきてくれればいいです」


「それも、悪いけど……」


今後は行かない。一切のやりとりはメールにしよう。

そう言うつもりだった。
打ち合わせをする気がないなら、会うのも不要だ。
彼がそんなこと了承するわけないとしても。
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