ひねくれ作家様の偏愛
「恋愛なんていいことないです。時間がかかるうえに、正常な感覚が狂う。創作者には不要です」


「それじゃ、恋心は想像で補うしかないね。海東くん、器用だからこなせそう」


海東くんはフォークを置いた。
のどを鳴らして、ワインを飲み干す。そんな飲み方するものだっけ、ワインって。


「恋愛感情くらい。経験ありますから、ご心配なく」


その顔はものすごく冷たく、伏せられた瞳のせいで、まつげが長い影を頬に落としている。


「そもそも、次は恋愛ものを書くなんて話、一寸もしてませんから」


だよねぇ。
なんて相槌を打つだけの私。

あー、ケーキでも買ってくればよかったなぁ。
もう少しトークの間をもたせられたのに。






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