誰よりも、君が好き
そんな亜架梨の声が、教室を慌てて出ていく私の耳に届いた。
私は、携帯を握りしめたまま下駄箱までの道を急いだ。
…なんなのよ、いったい!!
――――今すぐ下駄箱
画面が開きっぱなしの私の携帯には、
匠くんからのそんなメールが写っていた。
______________
「ハァ、ハァ、ハァ…」
下駄箱までの道を全速力で走ってきた私は、
ほとんど力尽きていた。
…やっぱり、私体力無さすぎ。
ここまでの道を間違えなかったことが
唯一の救いだと考えておこう。
「遅い。なに待たせてんの?」
私にとっての全速力を完全に侮辱され、
地味に頭に来た。
「しょうがないでしょ!?
第一、匠くんも匠くんだよ。
なんの前触れもなしに、なんで急に呼び出したりなんか…!!」
「お前と帰るために、決まってるだろ」
「え…?」
私は、匠くんの言葉に耳を疑った。
…私と匠くんが、帰る?
…い、一緒に!?