誰よりも、君が好き
プシュー
しばらくして電車が私の降りる駅に着いた。
「んー」
なかなか降りられずに困っていると
「すみません、降ります」
匠くんがそれに気づいて声を出してくれた。
なんか…嬉しいかも。
「早く行くぞ」
匠くんは私の手を引いて、人をなるべく避けながら電車から出してくれる。
駅を出て、私ははっと気づく。
「あっ!!
…匠くん、ごめん。降りさせちゃった」
「んー。いや、平気だよ。」
匠くんは平気な顔をしているけど、今はもう時間は遅いし、心配だよ…
「…あの、俺の心配はいいからな。」
「え!?」
まさか、私の考えてること、顔に出てた!?