いと。

「ありがとうございました。」

丁寧に作り上げたギフトをお客さんに渡し、外まで見送る。

今日もLINKは忙しい。

「あとは…っと、在庫確認してこなきゃ。」

ファイルとボールペンを持ち、他のスタッフに一声かけて上の階の倉庫に向かう。

数々の商品が所狭しと並べられた倉庫は人ひとりがやっと通れるスペースを残し、後は足元まで商品で埋まっている。

「えっと…キャセロール…ミルクパン…ツールスタンド…っと。」

人気のあるキッチンツールのシリーズはまとめ買いしていくお客さんもいるのでこまめにチェックするのが必須だ。

「あとはこのシリーズ………っと!?」

頭を上げた瞬間ぐらりと、急激なめまいに引きずり回され身体の制御を失う。

持っていたファイルを咄嗟に近くの棚に置きはしたが、ボールペンは落としてしまい、カラカラとどこかへ転がっていった。

「や…ば…っ!」

ガタリと後ろの棚に背中を突き、へたり込むと同時に一枚の皿が落ちてしまい、割れる音が耳に響く。

「…痛っ!」

気づくと膝が崩れるのと同時に落ちたお皿の破片の上に運悪く左手をついてしまい、手のひらから血が流れていた。

「……やだ、お皿が…っ!」

自由がきかない身体、ぐらぐらと振り回されるように回る頭、割ってしまったお皿、流れる血…

どうしよう、どうしよう…

パニックを起こす中、バタバタと足音が聞こえてきた。

「眞城さん!?どうしたの…っ!眞城さん!」


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