いと。

店で倒れた私はすぐに店長の車で病院へと運ばれたのだった。

親との関係を知っている店長は迷わず薫を呼び、私を任せて店に戻っていった。


『とにかく検査結果が出て医者の許可が出るまで休みよ。使ってない有給を消化するいい機会じゃない。

たっぷり使ってくれていいから、しっかり治すのよ。いいわね。』

説得するようにそう言い残していった。

左手に包帯を巻かれ、右手に点滴をされてベッドに横になっていた私を見た薫は申し訳ないほど心配の表情で…上下する肩や上がった息がいかに急いで駆けつけてくれたかを物語っていた。

「薫…、ごめんなさい……。」

ただ謝るしかない私に対して薫は、

「いや………、とにかく点滴が終わるまでゆっくり安め。」

そう言って笑ってくれたけど…どこか距離を感じてしまった。


< 102 / 561 >

この作品をシェア

pagetop