いと。

熱いシャワーを浴び、キッチンで少し野菜ジュースを飲む。そのグラスを洗っていると聞きなれた音がした。

「……!薫っ!」

急いで手を拭いてスマホを手に取る。

意を決して通話ボタンをスライドすると、一瞬で薫の空気が伝わった気がした。

『………愛?』

耳に伝わるのは、ずっとずっと想い焦がれていた愛しい声。名前を呼ばれただけなのに、その声は一気に私がここしばらく堪えてきた涙腺を崩壊させた。

「………………。」

『………愛?聞こえてる?』

「………………。」

『…泣いてるんだろ。しょうがないな。

終わったら行くから……、待ってて?』

「………………。」

『…愛?』

「…っ。わか…った。待ってる。

………薫…。」

『…ん?』

「………会いたい。」

それだけで、そう声を振り絞るだけで、精一杯だった。


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