いと。
「………ん。」
以前も見た天井、独特な薬品の匂い、繋がれた点滴はそろそろ空になりそうだ。
ここは…病院か。
「あ、眞城さん気づいた?気分は?強めのめまい止めの点滴だからそろそろ動けると思うけど…、先生呼ぶからちょっと待ってね。」
前回運ばれた時と同じ看護婦さんが優しくぽんぽんと布団に触れて去っていった。
「……………。」
運んでくれたのは戸澤さんか。…最悪だ。あんな人に助けられたなんて。
「………そういえば、トランク…。」
持っていたはずの荷物がない。
近くに置いてあるのは財布や通帳を入れていたショルダーバッグと…トランクに入っていたはずのワンピースだけだ。
…そういえば、病院着着てる。濡れたから…かな。
残りは………
「まさか、戸澤さんが持ってる?」
逃げられないように持っていったのだろうか。