いと。

「………寝たか。」

小さく呟きながらベッドの端に腰掛け、ぼんやり照らされている顔を眺める。

ただ静かに寝息を立てる彼女は、この時だけは本当に自分のもののような気がした。

LINKで見せていたような笑顔は、もしかしたらもう見られないかもしれない。

「……さすがにショックだよ。」

あんな視線を向けられるなんて。

「…ま、ただの結婚相手なんだけどな。」

目的を達成したら別れる、ただ一時必要なだけのコマ。

そのはずなのに、突き放されるとどうしてこんなに心が痛むのか。

顔にかかった髪をそっと払い、さらりと頬を撫でる。

「…キレイだった髪まで、切ったのか。

大切なものを全部捨てて………潔く前に進むのか。強い女だな。」

そのまま………なぜだか吸い込まれるように、額にキスをした。


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