いと。

……愛は今どこにいる?

彼女と選んだカーテンを開けて街を見ていたらふと疑問が湧いた。

『ちゃんと戦って、話して、断る』

確かそう言っていた。

「戸澤……!」

そうだ。愛は必ずあいつに会っているはずだ。

「電話………!」

いつか呼び出された番号に今度はこちらからかける。

数回の呼び出し音が鳴った後、静かにヤツの声が耳に届いた。

『…随分遅かったな。』

まるでこちらからの連絡を待っていたような口調だった。

「愛はどこだよ。知ってるんだろ。」

『……………。』

「戸澤!」

『……………オレは今仕事中。終わったら店に行くから待ってろよ。』

プツッ………

「おい!」

通話は一方的に切れた。

あいつは確実に愛の居場所を知ってる。

「……………愛。」

『愛しいひと』を取り戻す。

この時俺は、それしか考えていなかった。


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