いと。

「…み……ず。」

涙に暮れた後、キッチンに立つ。かたりと開けた食器棚には、もう主のいないカフェオレボウルが残されていた。


それだけじゃない。


リビングも、寝室も、彼女が選んだ物や使っていた物があちこちにあって…急にすっぽりと空いてしまった空席を思うと、ずっと暮らしてきたこの部屋がとてつもなく寂しい場所に思えた。


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