いと。

可愛らしいベビー用品がディスプレイしてある店を見つけふたりで入る。

「わ、可愛いですね。」

服や小物や食器はキレイに並べられていて、目がいくのはスタッフの仕事ぶりだった。

楽しそうに商品チェックをする人やにこやかに接客をする人、ラッピングを手際よくする人。

「……………。」

なんだか、虚しくなってしまった。

強い虚無感。

自分が、取り残されている気がした。

「……………行くぞ。」

「え?…わっ!」

突然強引に手を引いて店を出たかと思うと、戸澤さんはそのまま無言でスタスタと歩いて行った。


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